労務ニュース

第6号 マイナンバー制度の開始に伴う個人・企業の実務対応について[2]2015-05-29

<社員のマイナンバーが正しいものか、どうやって確認するの?>

前回の続きです。
社員の皆さんからマイナンバーの提供を受ける際、会社は必ず番号確認と本人の身元確認(この二つを併せて本人確認と言います)を行います。では、実際にどう確認するかというと
●番号の真正性[番号確認]…マイナンバーが通知された書類(通知カード等)を確認する
●本人の実在性[身元確認]…身分証明書を確認する
以上のことを行います。
本年10月よりマイナンバーが世帯ごとに郵送されますと前回お伝えしましたが、具体的には「通知カード」と呼ばれるものが各個人に作成・送付されます。そこにはマイナンバーの他に氏名・生年月日・性別・住所が記載されています。ですので、口頭などではなく、この通知カードを提示していただき、番号を確認しましょう。通知カードの他に住民票でも確認することができます。
また、通知カードには顔写真がついていない為、本人確認書類として顔写真つきの身分証明書1点を併せて提示していただきます。顔写真つきのものがない方は2点以上の提示が必要です。
ここまでの内容をふまえると、実務的には『通知カード』+『運転免許証またはパスポート』にて確認を行う方が多数を占めるかと思います。
ちなみに、通知カードの内容に顔写真を加えた「個人番号カード」を提示する場合は1点での本人確認が可能です。個人番号カードは本人の申請により、平成28年1月以降に交付を受けることができます。
さらに、マイナンバーの提供を受ける際にはこの本人確認に先立ち、会社はどのような目的で利用するのかを社員に明示する必要もでてきます。こちらについては後述します。

<集めたマイナンバーはどう取り扱えばいいの?>

マイナンバーは言うまでも無く、とても大切な情報です。そこで政府は、マイナンバーを含む個人情報を「特定個人情報」とし、厳重かつ適切な管理を行うこと、違反をした場合の罰則等を新たに法律で定めており、その基準は通常の個人情報保護より厳しいものになっています。ここではその内容を少しご紹介します。

【利用目的の明示・目的外利用の禁止】
マイナンバーは現段階において税・社会保障・災害対策分野のみに利用範囲が限定されており、それ以外の目的で利用すること、マイナンバーを集めることは法律で禁止されています。ですので、前述のように本人確認を行う際には、「マイナンバーを法律で定められたこのような目的で使います・ここで示す目的以外では使いません」ということをしっかり明示する必要がでてきます。

【安全管理措置】
集めたマイナンバーの漏洩や盗用を防ぐために、会社は適切な管理措置を行わなければならないことも法律で定められています。
例えば、マイナンバーを取り扱う社員や場所を限定すること、マイナンバーを業務で取扱った記録を残すこと、書類は施錠できる棚で保管すること、システム上で管理する場合にはアクセス制限をかけること、マイナンバーについて社員全員に周知させること等々、行うべきことは多岐にわたります。とはいえ、実務的に措置を行うことが難しいケースもありますので、ガイドラインにおいて中小企業事業者に対する特例措置、というものも設けられています。中小企業事業者とは、原則従業員の数が100人以下の事業者を指します。この中小事業者については、政府が掲げる措置を全て行うことが難しいと考えられるため、行うべき安全管理措置の内容を別途定めています。

【両罰規定】
ここまで読み進めてくると、対応がとても面倒だな…と思われた方も多いと思います。しかし、対応を怠ってしまうことで漏洩や盗用が起きた場合には、その当事者のみならず会社にも同様の罰則が適用されてしまいます。これを両罰規定と言います。会社は知らなかった、では済まされず、当事者の社員と共に責任をとる必要性が出てくるケースもあるということです。
また、両罰規定の他にも、安全管理措置がずさんである企業についてはその企業名を公表することも検討されており、イメージダウンにも繋がってしまうため注意が必要です。


マイナンバーの本人確認・管理方法について、ここまでご理解いただけたでしょうか。
ここでは概要をお伝えしておりますが、実際にマイナンバーはその収集から管理・保管、さらには廃棄に至るまで細かい措置が必要になります。
行うべきことの多さから気持ちもナーバスになってしまいそうですが、時間は止まってはくれず、刻々とマイナンバー制度のスタートが迫ってきています。
当事務所でも、一事業者として、またお客様の特定個人情報を委託に基づき取り扱う者として、日々少しずつその準備を進めております。一緒に頑張りましょう。
新たな情報がわかり次第、こちらにまた載せていきたいと思います。