コラム

第17話 支えつつ、支えられて(2014年のキャリア研修講師を務めました)2014-06-14

 (★写真上:新芽卒業のみなさん / ★写真下:グループワーク中のメンバー)
         


            第17話 支えつつ、支えられて
         ~2014年のキャリア研修講師を務めました~

                        2014/06/14記 中西秀夫


2014年2月20日~21日の二日間、私はキャリア研修【新芽卒業研修】の講師を務めました。この研修のご依頼をいただき実施するようになってから、今年で七年経ちました。

今回参加された受講生は、入社3年経過という節目にいらっしゃる方々です。
この節目を、転機、岐路、またはキャリア交差点といいますが、みな同じ意味です。


<自分が、節目、転機、岐路、またはキャリア交差点にいることに気づくには?>
①正常な発達過程の通過点として、望んでいたことが生じたまたは生じなかった状態、
②意志決定したかまたはしなかったことにより、および、行動したかまたはしなかったことにより、望んでいたことが生じたまたは生じなかった状態
③意志の及ばない出来事が生じたことにより、望んでいたことが生じたまたは生じなかった状態、

このような状態のときに、私たちは自分が、節目、転機、岐路、またはキャリア交差点にいることに気づきやすいのではないでしょうか。


<気づいたらまず、物語の一行目を書いてみよう>
節目、転機、岐路、またはキャリア交差点にいることに気づいたのですが、それが望んでいたはずの転機なのに、なんとはなしに哀愁に満ちたものになることもあります。
また、次のステージに行こうとしているはずなのにキャリア交差点内からの移動に思いの外、時間がかかったりすることもあります。(42歳のときの私は、移動に6年かかってしまった経験があります。)

これらにどう対処したらよいのでしょうか。

いまこのキャリア交差点に立ち止まって、ちょっと大切なことをしてみましょう。
いつか必ず数年後に来るであろう、次のキャリア交差点に向けて、自分にできること・やりたいこと・意志としての価値観(seeds wants needs)を統合し、自分が将来出会うであろう必然的偶然との繋がりのある物語の一行目を書き、二行目以降の「素地」を作る、といったことです。

具体的にいえば、
①situation  状況把握 →ビジョンの確認と現実とのずれの確認
②support   相談できる人や支援者の確認、realisticな情報も必要
③self     自己概念の確認、Seeds Needs Wantsを統合し、
        肯定的 な 自分像を見いだす 
④strategic   キャリアを深めていく手順の計画

の4つを実行し、より自分らしく生きるストーリーの下書きを描くのです。
これは、キャリア交差点内での大切な務めです。
(このあたりのサポートは研修でもさせていただきました。)


<キャリア交差点と次のキャリア交差点のあいだ、中立圏では>
キャリア交差点に立ち止まって大切な務めを果たしたあとは、
流されていても、流していても、また計画通りにいかなくても、またあえて計画外を楽しんでいても、よいでしょう。

なぜなら、キャリア交差点ですべき務めを実行しておけば、次の転機に着いたときには、それまでのすべての時間と体験を糧にすることができるからです。
たとえ不満足な成果であったとしてもそれ自体が糧なのです。

もちろん、人生で何度か来るキャリア交差点の度毎に、いつまでもこの務めを実行します。
それは、自分にできること・やりたいこと・意志としての価値観(seeds wants needs)が一致することはないからです。
この3つの統合プロセスは生涯続くのです。



<プランドハップンスタンス(必然的偶然)>
計画通りのこと、または計画外・予想外のことを楽しんでいるうちに、決して多くはないかもしれませんが必ず貴重な出会いが生まれます。
その出会いは、不思議な偶然ですが、振り返って見れば必然です。
なぜ必然か。それはキャリア交差点で確認した「志」あるいは確認できずに「潜在していた志」どおりの出会いだからです。

人生は、偶然で決まることが多い。でもその偶然をもたらすのは、志です。


私は22歳の時の自分からみれば、現在の人生をとても想像もつかなかったと思っています。職務経歴書に現れる「外的キャリア」も大きく変わっています。
しかし、振り返って見れば、自分の「内的キャリア」は一筋の轍のようにも見えるところがあります。
みな様もそうではないかと思います。


<毎年、思うこと>
講師としてみなさんをサポートしようと努めている私ですが、
受講生のみなさんから寄せられた感想文やアンケートを読んでいると、
実際には、私が受講生のみなさんに支えられていることを、毎年のように思い知らされるのです。

研修の準備はそれなりに大変ですが、今後この研修を私がいつまでやれるのかという枠を自らは作っていません。従って来年もまた、受講生のみなさまや事務局を引き受けてくださった社員課の藤井さん・小杉さんというよき人々に支えられていることを忘れずに、せいいっぱいみなさまのお話を傾聴し、できる限りよいキャリア研修になるように、常日頃からしっかり準備していこうと、肝に銘じた次第です。

そして、個別カウンセリングをすることができた受講生とも、また時間の関係でできなかった受講生とも、いつの日か必ずお話しを聴かせていただくことができるよう、よい関係性を磨いていく行動をしていこうと誓いました。

                                 <以 上>


(↓ 全員によるセルフヘルプワーク)