コラム

第2話 <人生を四倍楽しむ 快楽主義>2006-11-25

~二つの自然な動機を活用し、スローキャリアをとりいれる~


<人>は、
①世のため人のために働きたい動機と
②自分流動機
という二つの自然な動機をもっています。


 そのひとつ、世のため人のために働きたい動機とは、人と触れていたい・理解していたい・フレンドリーでありたい・ごく自然に感謝されていたいといったリレーション系のものであり、もう一つの、自分流動機とは、自分で考えたい・決めたいという自律的な動機や全体からディテールまで自分がデザインしたい動機、ものごとを体系化・芸術化して感性や世界観を表現する動機など、あり方系のものです。


 これらの二つの動機を活用している<人>は、現職を唯一これのみをその舞台と決めているわけではないが、どんな舞台にあっても、自分にこだわった自然体で、目の前の仕事に没頭し、のめり込みながら演じきり、<一日一人生>しています。むしろ、一見すると普段は目立っていないように見えるが、よく振り返ってみるとその人の持ち味たっぷり輝くキャリアの軌跡がついてきている。周囲の人に奉仕している立場なのに、気づいて見るといつの間にか周囲の人にリーダーシップを発揮している。周囲の人もいつの間にかそれを自然なこととして受け入れ認めている。こんな仕事人生のありようがスローキャリアということなのです。


 スローキャリアを基盤としつつも、経済スピードに同調できて成果達成志向のキャリアビジョンと統合していくことができたらそれはそれですばらしい。一方で、スローキャリアを基盤とし経済スピードより地球時間にスピードを合わせながら自律できたらそれもすばらしい。
もし、<人>が過度に経済スピードに同調している場合には、一日のなかでこの時間はスローでとか、一週間のなかである日はクイックでまたの日はスローでといった具合に、両タイプによってメリハリをつければ、味があって楽しい素敵な仕事の仕方・生き方が可能です。


 さて、結論です。結果のみに縛られれば禁欲主義になってしまいます。
<プロセスと成果で、さらにスローとスピードで、人生を四倍楽しむ快楽主義>でいってみませんか。


                                             <以 上>




参考:「快楽主義」は、国分康孝先生の講義(1994年9月)にヒントを得て私が書き
    直しました。
参考:<一日一人生>とは、川上肇さん用語。

    中西の解釈では、日々を生きること自体が手段でなく完結された目的であり、
    いまここに集中して生きることをいうものです。
参考:高橋俊介著「スローキャリア」